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b.配当許可申請・配当表の起案


債権者表の修正が不要なことの確認や、財団債権の弁済を完了し、報酬決定を受けたら、配当許可申請書と配当表を起案します。

起案する順番は、
  1. 配当許可申請に添付する収支計算書
  2. 配当表
  3. 配当許可申請本体
がやりやすいでしょう。

すでに報酬決定を受けていますから、収支計算書の収入の部は、原則として変動がありません。


支出の部には、弁済した財団債権や、管財人報酬、配当費用の予定額を記載します。

管財人報酬は、このときまでに現実に引き出す必要まではなく、配当実施時や管財人口座の解約時に受け取っても構いません。
ただし、破産者が法人の場合、管財人報酬の源泉徴収を忘れないように注意が必要です。

配当費用の予定額は、配当通知の郵送費用と配当に際しての振込手数料です。
破産債権者が指定する金融機関によって振込手数料が変わってきますが、あまり厳格に考えず、管財人が配当を行う金融機関の最大の振込手数料を基礎に計算すれば足ります。

収支計算書を整えれば、実際の配当可能額が算出できます。

これをもとに、配当表を作成します。
債権者表のタイトル欄の「■破産債権者表」のチェックを□にし、また、同欄の「□配当表」と行タイトルの「□配当関係」のチェックをそれぞれ■にします。
また、債権調査の結果に基づき、「配当の手続に参加することができる債権の額」欄に金額を記入します。
不足額が確定していない別除権付債権は、認めている債権であっても0円となりますが、これ以外は、確定債権額の金額を転記します。
異議の述べた債権についても、0円と記入します。

優先的破産債権(公租)、同(公課)、同(労働債権などの私債権)、一般破産債権、劣後的破産債権の順に割り当てて行きます。
劣後的破産債権まで配当できることは通常なく、一般破産債権までの配当となることがほとんどです。

割当てに際しては、まず、各クラスの配当率を定めます。
全額配当できるクラス(通常は優先的破産債権の各クラス)の配当率は、100%となります。
これに対して、按分とならないクラス(通常は一般破産債権のクラス)については、そのクラスに配当することができる原資を、配当手続に参加することができる債権の総額で除したものが配当率となります。
配当率は、適宜の桁数で端数処理を行います。四捨五入、切捨て、切上げのどれでもかまいません。
こうして定まった配当率を、配当表右下の配当率の欄に記入します。

各クラスの配当率を算出できれば、配当手続に参加できる各債権の額に配当率を掛け合わせ、配当額を計算します。
小数点以下の端数処理も、四捨五入、切捨て、切上げのいずれか適宜の方法を取ります。
この金額を、配当表の「配当することができる金額」欄に記入します。

なお、Excelで計算している場合、表示されている数値は四捨五入されているものの、実際にセルが保持している金額は四捨五入前の数値であることがあります。
端数処理を行わないまま計算すると、違算が生じる可能性があります。
Round関数やRoundup関数、Rounddown関数などでその都度端数処理を行うことが必要です。

また、現実の配当額の総額と配当可能原資とは完全に一致しませんが、現実の配当額の総額が配当可能原資を上回り、配当原資が不足しない限り、厳密に考える必要はありません。

配当表を作成したら、配当許可申請書を起案します。

1項は収支計算書から、2項は破産債権者表から転記します。
根抵当権で極度額を超える部分がない場合、2項のひな形のなお書きと添付書類のうち「2 別除権(根抵当権)に関する報告書は削除します。

3項の「配当をすることができる金額」は、ひな形では「財団の現金総額より御庁の報酬決定額を控除した額と記載されています。
1項で支出欄に管財人報酬を含めて記載してる場合でも、この文言はそのままとします。
後に追加配当が発生する場合があり、これを控除しているからです。