以下「○○」という

書面を書くときに、長い単語は適宜略称を定義して用います。
例えば、「別紙物件目録1記載の不動産(以下「本件不動産」という。)」というふうにです。

ところが、最初に、後で使うだろうと「以下「○○」という」と書いてみたものの、実際には出てこないこともちょくちょくあります。
また、例えば「本件不動産」を「本件土地」とするなど、途中から微妙に違う短縮形にしてしまったりというのもあります。特に、複数の書面を跨ぐときに起こりやすいかと。このバリエーションとしては、先行する書面で定義しているのに、改めて後行の書面で違う定義をしてしまうというのもありますね。
甲野太郎(以下「原告甲野」という。)、乙野次郎(以下「原告乙野」という。)といっておきながら、「原告」とだけ書いたり、「原告甲野太郎」と書いてみたり。

きちんと校正のときに見つけないといけないのですが、見落としたまま裁判所に提出してしまい、後で赤面することも…

そもそも、「本件○○」というのが多いのも、最初の方で、「…(以下「○○」という。)…以下「△△」という。)…」とブチブチと切れる文章が出現するので、見にくいのではないかと思っています。
直後に1回しか出てこないなら、「上記不動産」などで十分なんでしょうね。

また、評価を伴う場合、当事者同士で略称のせめぎ合いが生じることもしばしばあります。
たとえば、損賠請求訴訟で、詐欺を主張する原告は「本件欺罔行為」とし、被告は「本件勧誘行為」とする、過払金請求訴訟で、分断を主張する被告は、「本件第1取引」「本件第2取引」とし、一連を主張する原告は、「平成○年○月○日までの取引」「平成○年○月○日以降の取引」とする、などです。

裁判所から見ると、どちらかに統一してよ…と思うのかもしれないですが、当事者としては、略称1つとっても、相手方の評価に乗っかるわけにはいかないものですよね。

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