利益相反取引と破産管財人の第三者性

東京地判平成25年4月15日
判タ1393号360頁

「Y[註:破産者]の差押債権者は、原告の取締役会の承認決議不存在につき悪意であることを主張立証しなければならない第三者にあたると解するのが相当である。
そうであるとすれば、本件破産手続開始決定後のYの破産債権者も同様に保護すべきである。しかし、破産債権者は個別的権利行使を禁止され(破産法100条1項)、破産財団に属する財産の管理処分権は破産管財人に専属するのであるから(破産法78条1項)、破産債権者を保護するためには、破産債権者全員の利益代表者としての破産管財人を差押債権者と同視する必要がある。そうすると、Yの破産管財人である被告は、その破産債権者全員の利益代表者として、原告の取締役会の承認決議不存在につき悪意であることを主張立証しなければならない第三者にあたるものと解するのが相当である」

「被告が、原告の取締役会の承認決議不存在につき悪意であることを主張立証しなければならない第三者にあたると解する根拠は、Yの破産管財人である被告がその破産債権者全員の利益代表者であり、Yの破産債権者全員を差押債権者と同様に保護すべきであるからである。そうすると、第三者である被告が悪意又は重過失であるかどうかについては、破産債権者を基準に判断するのが相当であり、利益相反取引による無効を主張する者は、破産手続開始決定時を基準として、破産債権者全員が悪意又は重過失であることを立証しなければならず、その中に一人でも善意かつ無重過失の者がいれば破産管財人に対して無効を主張することはできないものというべきである。」

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