「裁判所」と「破産裁判所」

破産法には、「裁判所」という表記と、「破産裁判所」という表記の2種類があらわれます。

「裁判所」は、当該破産事件を担当する裁判体を指すのに対し、「破産裁判所」は、当該破産事件が係属している地方裁判所を意味します(破産法2条3項。「条解破産法」27頁)。

一般的な用語法としては、「破産裁判所」を上記の意味での「裁判所」と同様に用いることが多いのですが、法律上は区別されています。

役員責任の査定や破産債権の査定決定を行うのは「裁判所」(同178条1項)です。
これに対し、否認請求や否認の訴え(同173条2項)、否認決定に対する異議の訴え(同175条2項)、役員責任査定決定に対する異議の訴え(同180条2項)、破産債権の査定決定に対する異議の訴え(同126条2項)の管轄は、「破産裁判所」とされています。

もっとも、後者のうち、否認請求については、「破産裁判所」内の事件分配として、当該破産事件を担当する裁判体に配点するという運用が通常だと思われます。

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